
シーズ紹介
網膜色素変性治療のための経強膜薬剤徐放によるPOC取得についての検討
網膜色素変性などの網膜変性疾患は確立した治療法がない。最近緑内障点眼薬のウノプロストンがB-Kチャンネルを介した神経細胞保護効果を示すことが判明した。点眼では薬剤網膜送達が難しいので、今回は我々が開発したデバイスで本剤を持続的に強膜上から徐放し網膜色素変性の進行抑制を目指す。眼内に手をつけないので安全性が高く、どのような薬剤でも局所で徐放コントロールでき、創薬プロセスにも貢献できる可能性がある。

開発責任者
東北大学大学院医学系研究科・医学部
阿部 俊明 教授
【研究概要】
対象:網膜色素変性
我々は、分子量にかかわらず初期バーストなしに長期間、網膜に薬剤徐放可能なデバイスを開発した。眼内ではなく結膜下(強膜上)操作であるために安全性も高く、問題が生じた場合はすぐに摘出できる。高齢者は点眼を忘れがちであるなどの問題点も解決し(アドヒアランス)、適切な薬剤さえあればさまざまな網膜疾患や眼疾患以外にも利用できる利点がある。特許公開中であり、今回はこのデバイスに網膜変性の抑制が報告されたウノプロストンを組み込み、Unmet Medical Needsに合致する網膜色素変性治療の非臨床POC取得をめざす。
図1:網膜変性疾患(網膜色素変性)の治療をめざして低侵襲で持続的な眼内薬物投与デバイスの開発
【用語説明】
- 網膜色素変性:
- 厚生省指定の特定疾患で現時点で治療法のない遺伝性網膜変性疾患。頻度は約1/4,000人、典型例は夜盲で自覚し徐々に視力が低下し、40代くらいから急激に進行する。
【研究の実施計画】
【企業連携の状況・希望する企業連携の内容】
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