
シーズ紹介
超音波を用いた革新的非侵襲性血管新生療法の開発
我々は、培養血管内皮細胞を用いた実験において、ある特殊な条件の超音波を照射すると、血管内皮細胞における血管増殖因子の発現が亢進することを発見した。さらに、この条件の超音波が、大型動物(ブタ)を用いた前臨床試験において、虚血心筋の毛細血管密度を増加させ、心筋虚血を改善することを確認した。現在、重症狭心症を対象とした医師主導治験を行っている。

開発責任者
東北大学大学院医学系研究科・医学部
循環器内科学分野
下川 宏明 教授
【研究概要】
対象:虚血性心疾患(重症狭心症)
超音波画像診断装置は、非侵襲的検査として広く世界に普及している。我々は、ある特定の超音波発生条件では、診断に用いられる強度と同程度の超音波が、血管新生をもたらすことを明らかにし、超音波血管新生装置を開発した。今後、重症狭心症患者を対象とした医師主導治験を行い、有効性・安全性を評価する。本治療法では、診断に用いられる強度の超音波を用いることから安全性の懸念はなく、前臨床試験においても副作用は認められていない。そのため、臨床応用にあたり、麻酔や鎮痛薬は不要で、開胸などの手術処置も不要である。このように非侵襲的な治療法であることから、高齢者や合併症を持つ重症患者にも適応可能である。この装置は、一つのプローベで診断と治療を行うことを可能にした画期的な装置であり、市場規模も大きく、普及が期待される。
図1:概念図
図2:慢性虚血心に対する超音波治療の効果
【被験者募集ポスター】
>> 超音波治療ホームページ
【研究の実施計画】
【企業連携の状況・希望する企業連携の内容】
共同研究、治療機器の開発を希望。
【共同研究者】
伊藤 健太 准教授
(東北大学大学院 医学系研究科・医学部 循環器先端医療開発学)
【お問い合わせ】
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開発推進部門 : 【E-mail】 review*crieto.hosp.tohoku.ac.jp (*を@に変更してください)