シーズ紹介
IVRによる高血圧根治術 −副腎静脈サンプリング技術を応用した原発性アルドステロン症の低侵襲治療−
原発性アルドステロン症は全高血圧症の10%程度を占めるとされ我が国に400 万人程存在すると思われる最も頻度の高い2次性高血圧症であり、通常の高血圧症に比べ2−12倍もの合併症発症率を有する。
病側副腎全摘が現在の標準的治療であるが、RF(ラジオ波)アブレーション針にて副腎のアルドステロン過剰分泌部位を焼灼し、高アルドステロン血症と高血圧の低侵襲的根治に向けての手技開発および医師主導治験を行う。低コストで安全に将来の合併症発生を予防し、高血圧患者に手術をすることなく多量の降圧薬服用から解放し、薬剤費の低減と予後改善を図る。
本研究について、当センターでは開発戦略の策定と臨床試験全体について支援しており、引き続き支援を行っていく。
開発責任者
東北大学病院放射線診断科
高瀬 圭 教授
【研究概要】
対象:原発性アルドステロン症
RF(ラジオ波)焼灼用針(プロサージアプリケータ)、送水ユニット、電源装置から成るバイポーラタイプのRFアブレーションシステム(バイポーラRFAシステム CelonPOWER)であり、バイポーラタイプ電気メスとほぼ同じ技術の応用で先端に第1・第2電極を有し、300〜500kHzの高周波電流、40W 程度の電力で副腎腺腫組織の焼灼を可能とする。機器自体の開発は既に終了しており、平成24年7月に肝腫瘍を適用疾患として国内で承認され(医療機器承認番号 22400BZX00269000)ている。今後、副腎焼灼用に最適化予定である。
図1:プロサージアプリケータ
図2:バイポーラRFAシステム CelonPOWER
図3:原発性アルドステロン症RF治療の概念
【研究の実施計画】
【企業連携の状況・希望する企業連携の内容】
RFアブレーションシステムを保有する企業(オリンパスメディカルシステムズ株式会社)と、副腎焼灼の最適化に向けた共同実験(豚摘出副腎等を用いた詳細な机上実験)を進行中。
【お問い合わせ】
お問い合わせは「開発推進部門」までお願いいたします。
開発推進部門 : 【E-mail】 review*crieto.hosp.tohoku.ac.jp (*を@に変更してください)