東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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Blue Bottle Coffee Inc. Strategic Brand Advisor インフロレッセンス株式会社 代表取締役 井川 沙紀先生講演会「海外ブランドのローカライゼーション – ブームから文化へ」を開催しました

8月30日(水)18:00-19:00、今年度第4回目の未来型医療創造卓越大学院プログラムFM DTS 融合セミナー(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門・医工連携イノベーション推進事業) Blue Bottle Coffee Inc. Strategic Brand Advisor 井川 沙紀先生の講演会をオンラインにて開催いたしました。
 
今回の講演では、創立10年あまりのブルーボトルコーヒーが日本に参入する際の立役者となった井川先生の実体験を基に、文化の異なる国の人々の心を捉えるための「ローカライゼーション」の重要性とブランディングについてお話しいただきました。
 
講演の前半は、ブルーボトルコーヒーという企業のあらましと、日本参入に際しての障害をご説明いただきました。ブルーボトルコーヒーは、「おいしい」コーヒーを提供するという創業の精神に加えて、コーヒー体験により人生を美しくするという企業理念を掲げ、この美しいコーヒー体験を構成する要素をコミュニティ、サステナビリティ、イノベーションという3つの観点から解説いただきました。また、海外ブランドの日本参入が如何に難しいかという事に関して日本を撤退した外資企業のデータを用いて説明され、「日本市場における特殊性が最も重要な問題であった」と後半に繋げられました。
 
講演の後半では、前半で述べられた日本市場の特殊性を踏まえて各国のローンチで大切にすることを3つの要素でご説明いただきました。
始めに挙げられた要素は「信じていることを変えない」というものです。失敗する海外ブランドの理由として、①日本に合わせ過ぎる②日本に合わせなさすぎるということを示され、それを基にブルーボトルコーヒーが大切にしてきたことはそのままに、それらを伝える表現の強弱を変えることが重要であると述べられました。
次に解説された要素は「コミュニティファースト」の考え方です。ブルーボトルコーヒーにとって目標を、一時のブームを築くことではなく長く地元に愛されるブランドになるという立場を明確に示し、地元に溶け込み・地元の人に愛される取り組みを紹介していただきました。
最後に「Local Touchでブランドに進化を」という要素を挙げられました。ここでは従来のブルーボトルの技術と日本の有田焼の技術を融合したドリッパー開発の話を例に、地元の要素を取り込んでブランドに進化をもたらす重要性を解説されました。そしてこれら全てが「ブルーボトルコーヒーがある生活」が定着するいわば「ブームではなく文化へ」を意識したローカライゼーションに繋がっていると述べられ、ご講演を締めくくられました。
 
今回の講演ではローカライゼーションの重要性について解説していただきました。実際にブルーボトルコーヒーの日本参入に奮闘された井川先生だからこその説得力があり、特に「ブームではなく文化へ」という考え方は、顧客として本当に大切にするのは誰なのか我々に深い問いを与えてくれるものでした。
 
本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外470名の方々にご参加いただきました。
井川先生、ご講演ありがとうございました。
 
文責:教育学部4年 仲尾 稔
 
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