東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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株式会社コングレ 専務取締役 紫冨田 薫先生 講演会 「社会の課題を解決する “場” をつくる ―コンベンションからまちづくりへ」を開催しました

2月15日(水)18:00-19:00、今年度第9回目の未来型医療創造卓越大学院プログラム(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門・医工連携イノベーション推進事業)FM DTS 融合セミナー 株式会社コングレ 専務取締役 紫冨田 薫先生の講演会をオンラインにて開催致しました。
 
今回の講演では、株式会社コングレの事業の歩み、具体的な事業の内容、そしてコングレが目指すPCO(Professional Congress Organizer)としての在り方について解説していただきました。
 
コングレは、「未来が生まれる、「場」をつくる。」をキャッチフレーズとして、年間240件のMICE(Meeting, Incentive Travel, Convention, Exhibition/Eventの総称)を運営し、全国90か所のMICE施設、文化・観光施設の管理運営をしています。一見、多くの事業を扱っているようにも見えますが、コングレの事業拡大の歴史を辿ると、実は一つ一つの仕事は全てつながっているということが分かります。
 
コングレの事業の歩みは、医学会をはじめとした国内会議の運営から始まりました。そこで培った運営のノウハウを活かし、博覧会ブームが起こった1990年代には、多くのパビリオンや文化観光施設のアテンダントスタッフのオペレーションを手がけました。さらに、重要な国際会議が日本で多く開催されるようになった時期から、多くの国際会議の運営を担当するようになりました。そして2000年代に入ると、第三セクターで運営するコンベンションセンターの株主になったことを皮切りに、施設運営へも携わっていくこととなります。指定管理者制度が制定されてからは、名古屋国際会議場や名古屋市展示場といった公の施設の指定管理者として、リスクを負いながらも裁量権をもって施設を運営できるようになったほか、グランフロント大阪のプロジェクトでは、新しいコンベンションセンターの構想設計から長期運営までを業界で初めて手がけました。それらの自社施設などを利用し、近年では本格的に自社主催の展示会やイベントを開催しています。このように、そこで得たノウハウやネットワークを活用して、時代の変化とともに会社のビジネスのフィールドを広げてきたのです。
 
”場”をつくる仕事の一例として、名古屋国際会議場(NCC)を利用した地域のブランド化に関する取り組みをご紹介いただきました。NCCへの全日本吹奏楽コンクールを誘致したことをきっかけに、NCCが舞台となった映画の上映会や数多くの吹奏楽のコンサートを開催するなど、「吹奏楽のまち」としての地域のブランド化に貢献しました。また、名古屋市は「デザイン」が重要な政策の一つでもあることから、地元の大学と連携し、NCCのサイン等を改装してデザイン性を向上させ、「デザインのまち」であることをアピールしました。
 
近年では、MICE業界のニーズとそれ以外の業界のシーズを結びつけ、イノベーションを起こすプラットフォームを目指して「MICEイノベーション研究会」を立ち上げました。コロナ禍でMICEの形が大きく変化した中で、オンライン会議やハイブリッド会議における「MICE」や「施設」の在り方をアップデートし続けています。
 
このように、顧客が自分でもできることを代行するだけであったPCOの仕事を、コングレは大きく変化させました。コングレが目指したことは「課題の発見と解決」です。顧客と共に課題を発見し、関係者を巻き込んで専門的な知識やスキルを使って解決していく、それこそが「未来が生まれる”場”をつくる」ということだと締めくくられました。
 
本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外321名の方々にご参加いただきました。
紫冨田先生、ご講演ありがとうございました。
 
文責:元インターン 岩本 空(所属:工学研究科)
 
20230215

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