東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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Heartseed株式会社 開発担当取締役Chief Medical Officer 研究開発本部長 金子健彦先生 講演会「再生医療産業化への道筋 ~開発・薬事の視点から~」を開催しました

10月20日(水)18:00~19:00、第7回未来型医療創造卓越大学院プログラム(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門)FM DTS 融合セミナー 金子健彦先生(Heartseed株式会社 開発担当取締役Chief Medical Officer 研究開発本部長)の講演会をオンラインにて開催しました。

 

はじめに、心不全治療に対する細胞治療・臨床試験について、第一、第二、そして、ES/iPS細胞を用いた第三世代と歴史を振り返られ、難治性重症心不全治療のアンメットニーズやiPS細胞由来心筋細胞の威力治療時の問題点にも触れながら、基盤技術、製造について現在、最前線について話されました。
次に、再生医療等製品ならではの規制やその対応について、不純物の安全性評価やカルタヘナ法について触れられ、遺伝子を導入する細胞そのものよりも導入するウイルスベクターが規制対象になるなど具体例を挙げながら薬事上の留意点を示されました。
そして、心室筋細胞の製造、再生心筋細胞の移植、心筋球法の開発が生着率を飛躍的に向上させたことなど、iPS細胞を用いた最新の心筋再生医療の非臨床から臨床までをご紹介くださいました。
最後は、2014年以降、再生医療を促進する制度が次々と施行され再生医療の実用化が官邸の成長戦略として推進された点や、先駆的医薬品等指定制度での最大のメリットは先駆け薬価加算が大きいことなどを説明されました。それらの制度を追い風とすることで、660億円という日本のバイオベンチャー最大級のDealとなる海外のファーマとの技術提携・ライセンス契約に至ったHeartseed株式会社の実例から、技術力、薬事力を活用することで、再生医療分野で日本は創薬大国になれると締めくくられました。
 
講演後は多くの質問が寄せられました。再生医療のターゲットに関する質問には、心臓だけではなく、網膜、腎臓、肝臓、肺など、様々な臓器に対するベンチャー立ち上がっている旨をご回答いただき、大学ではなく民間での研究開発の強みに対しては、日本でもベンチャーキャピタルが投資する会社が増えており、公的資金に頼るよりもベンチャー立上げの方が研究費の調達はしやすい一方で、息の長い研究は大学の方が優れているとの回答をいただきました。
 
本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外434名の方々にご参加いただきました。金子先生、ご講演ありがとうございました。
 
 
1020_金子先生

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