東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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日本電気株式会社 フェロー 今岡仁先生 講演会「生体認証と医療AIの最前線~未来の技術を担う研究者・学生へ向けて~」を開催しました

9月29日(水)18:00~19:00に、第6回未来型医療創造卓越大学院プログラム(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門および:東北大学研究プロジェクト「新領域創成のための挑戦研究デュオ」-Frontier Research in Duo(FRiD))FM DTS 融合セミナー 今岡仁先生(日本電気株式会社フェロー)の講演会をオンラインにて開催しました。

 

NECは顔認証技術だけではなく、主要な生体認証(顔・指紋・虹彩)で世界有数の技術を有し、2021年度では顔認証と虹彩認証で世界No.1を獲得しています。グローバルな研究開発体制があり、アカデミックに根差した研究をしていこうという文化があります。医療ヘルスケア分野を担っていく上で、画像・音声のマルチモーダル生体認証およびデータサイエンスとの組み合わせが非常に重要です。顔認証は他の生体認証と比較して「利便性」と「高い認証精度」を両立する唯一の技術であり、非接触・専用機器が不要・認証結果を人間が確認することができる面白い技術です。2018年の顔認証のベンチマークテストでは、世界中の有力ベンダーが参加する中、認証精度・検索速度両面で圧倒的な性能を達成し、また重要な指標である経年変化に対する認証制度の推移に関しても、他社に比べて加齢による経年変化の影響をより受けにくいという結果でした。世界中に生体認証を広げていくためには、現実的に大事な指標を見極めることが重要とのことです。
 
NECが考える医療ヘルスケアとして、NECの持ち味である電子カルテ×AIを発展させ、2030年に実現したい世界観も含め、製品化されている内視鏡画像解析AI、歩行分析ソリューションなどの具体的な事例や開発中の研究について紹介いただきました。また、若手研究者や学生に向けては、今岡先生のキャリア、社会貢献したいという想い、顔認証技術の研究の開発に入られたきっかけとこれまでの歩みについても紹介いただきました。
 
講演後の質疑応答では「壁にぶつかった時のモチベーションと協業する上で医師に求めるAI知識は?」との質問に対して、「正しいことをやり続けることで性能があがることが楽しかった。基本的な知識を持つことは大切だが、お互い専門家として相手の立場を理解することが重要。ひとりでは事業はできないことを知ること。」とご回答いただきました。
 
本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外476名の方々にご参加いただきました。今岡先生、ご講演ありがとうございました。

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