東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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京都大学大学院医学研究科ビッグデータ医科学分野 教授 奥野恭史氏講演会 「AIが拓く創薬・医療の未来」を開催しました

1月29日(火)に平成30年度東北地域医工連携事業化ネットワーク事業の一環として、京都大学大学院医学研究科ビッグデータ医科学分野奥野恭史 教授 に「AIが拓く創薬・医療の未来」についてご講演いただきました。
奥野恭史先生は京都大学薬学部を卒業され、薬学研究科寄附講座特定教授を経て、現在、京都大学大学院医学研究科教授を勤めております。
また、理化学研究所 科技ハブ産連本部医科学イノベーションハブ推進プログラム副プログラムディレクターを併任され、シミュレーション技術や人工知能(AI)を駆使したビッグデータ解析による医療・創薬の高度化に取り組んでいます。

 

前半は、AIを用いた医薬品開発プロセスについてお話いただきました。
AIを用いた最新の開発プロセスとして、

・製薬企業中心に約100社が参加するコンソーシアムを結成、各社で分担し、30種類のAIを並列で一気に開発する手法、
・AIによる世界最大規模のタンパク質-化合物結合予測を行う手法、
・化学構造32種類をAIが変化させ、相互に情報を遣り取りしながら、最適方法を見出していく手法、

等々、最新のAIを用いた医薬品開発プロセスをご紹介いただきました。

 

後半は、実臨床ビッグデータを用いたがん患者の余命予測の最前線についてお話いただきました。

・今迄のオーソドックスな予測方法から、死亡日を起点に並べる予測方法への転換、
・更にAI(機械学習)を用いる事で開発した高正答率の予測モデル、
・今後目指すのは、死亡200日前に患者様の体内状態が大きく変化する分岐点、生体の分子メカニズムの解明、延命できる治療方法の発見、

等々のお話をいただきました。

 

最後に、奥野先生から学生に向けてのメッセージとして、

・社会全体が大きく変わってくる。
・自分のエキスパート領域をしっかりと持って欲しい。
・産学連携・Open Innovationは当たり前の世界。幅広くコラボ出来る様になって欲しい。

とのお言葉をいただきました。
学生にとって大変励みになった事と思います。
今回の講演会では、学内を始め他大学・企業・自治体関係者等、幅広い領域の方々57名に参加いただき、会場の星陵会館大会議室が満席となりました。
また、活発な質疑応答・意見交換が行われました。

奥野先生、ご講演ありがとうございました。

 

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