東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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UCLA助教 津川友介氏講演会「ビッグデータやAIで医療の未来はどう変わるのか?」を開催しました

10月10日(水)に、公衆衛生学分野・分野横断型医工学連携プラットフォームBASICの共催によりUCLA助教 津川友介先生にご講演を頂きました。

津川友介先生は、東北大学医学部を卒業の後、ハーバード大学で修士号(MPH)・博士号(Ph.D)を取得。聖路加国際病院・世界銀行・ハーバード大学勤務を経て、2017年からUCLAにて助教をされておられます。
著書に、週刊ダイヤモンド2017年「ベスト経済書」第1位に選ばれた『「原因と結果」の経済学』(中室牧子氏と共著、ダイヤモンド社)、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)があります。

医学研究において、昨今何百万人規模のレセプトデータや電子カルテから抽出されたビッグデータが使われるようになっており、津川友介先生は、それらのビッグデータをAIに処理させ、診断サポートに繋げる研究をされておられます。
今回の講演会では、医学分野におけるAI研究の現状と課題に関し講演を頂きました。

 

講演では;
医学分野におけるAI活用に対しては、現在
①医師の思考回路にはなっていない。汎用型AIへの壁が有る。
②正しくノイズの少ない深いDataのInputがAI活用成功の秘訣。
③「AI×因果推論」が学問としてまだ確立されていない。
の課題が有る。

 

特にビッグデータを扱う上では、因果関係と相関関係を混同しない事。
AIにとっても、それらを正しく見分ける因果推論が重要となって来る。

 

一般的なチェック方法としては、
Q)全くの偶然ではないか?
Q)第3の変数が存在していないか?
Q)逆の因果関係が存在していないか?
の検証法が挙げられる。

 

現在のところ、AIとしての因果推論は学問として確立されていないが、近い将来AIも因果推論は出来る様になって来るであろう。
という内容で講演され、最後に「AIの課題を見据えた上で、AIに乗り遅れない様に」との言葉で締め括られました。

今回の講演会では、会場の艮陵会館記念ホール(定員250名)が満席となり、立ち見も出る程の盛会でした。
講演会が終わった後も、津川先生と会話を希望される参加者が先生の下に多数詰め掛けられ、遅くまで質問・意見交換が行われていました。

 

津川先生、ご講演ありがとうございました。

 

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