東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

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御手洗剛氏講演会 ■第一部「Submassive PEにおける残されたtPAの役割とは」 ■第二部「Massive PEにみるGolden Hours in Critical Care」「救急医療に求められる集中医療の新しい形」を開催しました

7月2日(月)に、平成30年度東北地域医工連携事業化ネットワーク事業の一環として、スタンフォード大学 救急救命科准教授  御手洗剛先生にご講演を頂きました。

 

御手洗剛先生は、17歳のときに渡米され、大学では経済を専攻するも、昔から興味があった医学の道に進まれ、内科・救命救急・集中治療の専門医として活躍され、これまでに臨床や教育に関する数々の賞を受賞されました。

現在も指導医としてスタンフォード大学病院の救急科のメディカルICUで勤務。2017年には救急医療現場で集中医療を最適化するために、全米に先駆けて人材配置型のECCプログラムを立ち上げられています。

 

今回の講演会は、二部構成で行いました。

 

第一部では、
PE(肺塞栓症)にはLow Risk PE, Submassive PE, Masshive PEの3段階あり。この中でもSubmassive PEを対象に、症例毎のtPAの投与方法・投薬量・評価方法等々についてDataに基づき、詳しくご講演頂きました。

 

第二部では、
上記のうちMasshive PEを中心に、どの様な処置を行うべきか、症例に基づき、詳細具体例をご紹介頂きました。また米国の救命救急の現状実態については、年間救命救急に来られる患者数や重症度、また救命救急センターでどの様な処置が行われているか、またStanford Emergency Critical Care (ECC)Programの内容についてご講話頂きました。

 

医療経済に関する質疑応答では、スタンフォード大病院では1泊の入院で、2百万円程の請求が有る事。
国民皆保険が無く、病院に対する支払い基準もまちまちであり、回収出来る所から回収するという社会である事等、大変勉強になりました。

また御手洗先生ご自身が、何故救命救急医療の道を選ばれたのか。医学生時代に遭遇した飛行機の中での救命救急の原体験エピソードについては、聴衆も聞き入っておられました。
その他、医学生に対する教育や、患者の方に医療選択させる課題、ガイドライン変更に関する質疑人材の採用と評価についてなど、活発に質疑応答が行われました。

 

最後に、特に医師を目指す学生の方々に、御手洗先生より、「暗記ではなく理屈で理解・学習する事が重要」「本人のモチベーションが何よりも大切」「人生は長い~自分のイメージと実態のGapを埋める事が大切」「社会の仕組み・保険の仕組みも理解しながら自分の世界を見つめる事が大切」「自分のPassionを自覚して自分としての誇りを見つめて行く事が大事」等々、大変うん蓄の有るアドバイスも頂戴しました。学生の方々には、非常に参考になる人生のアドバイスだったのではないでしょうか。

 

20180705-02

御手洗剛氏

 

20180705-01

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