東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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タウイメージングプローブ

 アルツハイマー病の脳内病理像の1つ、タウ蛋白に特異的・選択的に結合する[18F]標識PET(陽電子断層撮影装置)用プローブを開発し、同[18F]標識プローブを用いてアルツハイマー病を診断することを目的とする。タウイメージングは、重症度診断、真の高リスク者の正確な抽出を可能とし、タウ蛋白をターゲットとする治療薬の治療効果のモニターになりうると考えられている。
 本研究について、当センターでは開発戦略について支援しているが、臨床試験の段階からは、臨床試験全体について支援を行う予定である。

工藤 幸司 教授

開発責任者

東北大学加齢医学研究所

工藤 幸司 教授

【研究概要】

対象:アルツハイマー病の診断

 工藤教授らは2010(平成22)年12月には既に2つのプロミシングな[18F]標識タウイメージングプローブを得ていた。東日本大震災によって探索的臨床研究の開始が遅れに遅れたが、1つ目のプローブは2012(平成24)年12月、共同研究先のメルボルン大学において、もう1つは2013(平成25)年7月下旬から東北大学において同臨床研究が実施された。
 その結果、両プローブはこれまでの学問的積み重ねによって知られていたアルツハイマー病におけるタウ病理像の空間的分布に一致して著明、且つ有意な集積を示すことが判明した。
 工藤教授らは、これ(ら)を日本発・世界標準のタウイメージング用PETプローブとして発展させるために、国内外の多数の研究機関との共同研究を積極的に展開している。

  • 図1:脳内にタウ蛋白が蓄積するTgマウスおよび野生型(Wt)マウスに工藤教授らが見出したプロトタイプタウプローブ[18F]THK-523を静脈内投与した際の小動物用PET画像
    図1:脳内にタウ蛋白が蓄積するTgマウスおよび野生型(Wt)マウスに工藤教授らが見出したプロトタイプタウプローブ[18F]THK-523を静脈内投与した際の小動物用PET画像
    ( Brain (2011) 134.1089-1100 )
  • 図2:アルツハイマー病患者脳切片におけるオートラジオグラフィ画像
    図2:アルツハイマー病患者脳切片におけるオートラジオグラフィ画像

【研究の実施計画】

海外共同研究機関において探索的臨床研究が、2012年12月初旬より開始された。

研究の実施計画

【企業連携の状況・希望する企業連携の内容】

工藤教授らが設立した学内ベンチャ(クリノ株式会社)を介して、海外大手企業との共同研究が進行中(契約:2012年3月20日締結)。
探索的臨床研究の結果次第でライセンスアウトの可能性あり。

【共同研究者】

岡村 信行 准教授(東北大学大学院 医学系研究科・医学部 機能薬理学)

古本 祥三 准教授(東北大学大学院 医学系研究科・医学部 機能薬理学)

【お問い合わせ】

お問い合わせは「開発推進部門」までお願いいたします。

開発推進部門 : 【E-mail】 review*crieto.hosp.tohoku.ac.jp  (*を@に変更してください)

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