東北大学病院臨床研究推進センター

Clinical Research, Innovation and Education Center, Tohoku University Hospital

東北大学病院臨床研究推進センターは、医学系の研究開発をサポートするとともに、基礎研究の成果を臨床の場に実用化する橋渡しをいたします。

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中嶋優子氏講演会「米国救急専門医、国境なき医師団医師からみた救急医療、病院外医療、国際協力医療」を開催しました

1月18日(木)に、平成29年度地域中核企業創出・支援事業、東北地域医工連携事業化ネットワーク事業の一環として、国境なき医師団日本理事・救急医/麻酔科医、Emory University Assistant Professor、米国EMS専門医中嶋優子先生にご講演いただきました。

 

中嶋先生は、日本では麻酔科医・救急総合診療などを経験され、国境なき医師団の活動に参加。

卒後8年目でアメリカ Yale大学病院で救急レジデントにマッチ。救急の研修をする傍ら、毎年救急医・麻酔科医としてナイジェリア・パキスタン・シリア・南スーダン・イエメンなどでミッションを遂行されています。

 

中嶋先生からは、今に至る経緯のお話しを皮切りに、「国境なき医師団では、緊急医療活動を行われた。麻酔薬・麻酔器も原始的で限られている中、また宗教・異文化の問題で、大いなる制約がある中、突然運び込まれる多くの、熱傷・銃創・爆弾・鎌による外傷、交通外傷等様々な患者の治療に当たられた。また、どの国・地域に於いても現地スタッフの教育の重要性を痛切に感じられ、教育を施されて来た。」というお話をいただきました。

 

派遣されたいずれの国・地域も紛争地が主であり、常に危険と背中合わせであり、外出も禁止。想像を絶する劣悪な生活環境の中で、多くの医師が耐えられず途中帰国する中、中嶋先生が最後までミッションを遂行する事が出来たのは、中嶋先生が最後に伝えられた大切なこと、

①利他的な心、人々を救いたいという気持ち
②それが好きな事であること
③人との繋がりを大切にすること
④誰もやっていない事に取り組む挑戦力
⑤体力・免疫力・適応力・鈍感力

を人一倍お持ちだったからでしょう。

 

その他、女性医療従事者に伝えたいこと、EMS(Emergency Medical Services) の重要性、日本に取り入れたい米国のしくみ「Community Paramedicine」等、とても勉強になるお話が満載でした。
中嶋先生は、「まったく違う環境で生活し、仕事をするのは確かに大変ですが、本当に、それ以上の価値のある仕事です。」とのお話で締め括られました。

 

教室も満席となり、質疑も尽きる事無く、予定した時間を大幅に超過する程であり、講話に参加された方々全員が、中嶋先生の医療活動内容・生き様・姿勢に大きく感銘を受けた様子でした。

 

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